エコキュートが販売を開始したのは2001年。
20年ほど経ちますが、エコキュートのことをどのくらい知っていますか?
名前は聞いたことがあっても、エコキュートの仕組みを理解している方は多くはないかと思います。
そこで、今回の記事では
- エコキュートの仕組み
- エコキュートのメリット・デメリット
エコキュート・電気温水器の設置が
\得意な施工会社!/
エコキュートとは?
目には見えない大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かす、地球環境への負荷をおさえた自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器のことです。
エコキュートは、二酸化炭素(CO2)を冷媒として熱を作る「ヒートポンプユニット」と、作られた熱で温めたお湯を貯めておく「貯湯ユニット」で構成されています。
正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。
「エコキュート」の名称は、日本の電力会社・給湯機メーカーが使用している愛称で関西電力の登録商標になっています。
エコキュートの仕組み
ヒートポンプ給湯機は、大気中の熱を汲み上げるために電気のエネルギーを使用します。
汲み上げた熱をヒートポンプユニット内で圧縮し、さらに高温化して貯湯タンクからの水を水熱交換器で温めてお湯を沸かします。
空気の熱を利用して効率よくお湯を沸かすことができるのです。
ヒートポンプユニットで汲み上げられた熱は、空気熱交換器で自然冷媒(CO2)がしっかり吸収します。
②圧縮されてさらに高温化
熱を吸収した自然冷媒は、圧縮機によってさらに高温になります。
温度が上がる理由は、気体が圧縮されると分子同士が激しくぶつかり合って、熱エネルギーが大きくなるためです。
③冷媒の熱を水に伝えてお湯に
水熱交換器で、高温になった自然冷媒の熱を水に伝えてお湯を作ります。
④熱を吸収しやすい状態に
熱を水に伝えたあとの冷媒は、膨張弁で減圧(膨張)されてさらに低温化されます。
エコキュートは、①の電気エネルギーを使用して、③で空気の熱エネルギーを取り出すことができるため、非常に効率的です。
また、電気エネルギーだけでお湯を沸かすのに比べて、消費電力量は約1/3に。
CO2の排出量を抑え、環境に優しい上に、とても経済的な省エネ給湯機です。
自然冷媒
外気温が-10℃と低くても高温での貯湯が可能。
加熱能力に優れているため、高温沸き上げに適している冷媒です。
エコキュートのメリット
光熱費が安い
エコキュートは、少ない電力でお湯を沸かすため、ガス給湯器や電気温水器と比べて省エネ効果が高いのが特徴です。
また、電気代の安い深夜電力を使うため、光熱費の節約に繋がります。
エコキュートの最大のメリットではないでしょうか。
節約を重要視されているご家庭にはエコキュートがオススメです。
環境に優しい
エコキュートは自然冷媒(CO2)を採用しています。
地球温暖化係数も従来のフロン系冷媒に比べて低く、オゾン層破壊係数がゼロであり、地球環境に配慮しています。
空気を圧縮して熱エネルギーを作るエコキュートは、CO2の排出量を抑え、地球温暖化防止に役立っており、環境に優しい給湯器です。
非常時に水が使える
災害時や停電が起きた時、ガス給湯器はその場で瞬間的に水をお湯にする仕様なので、断水時などはお湯も含めて水も使用できなくなりますが、エコキュートは、貯湯タンクから水やお湯を非常用水として取り出すことが可能です。
非常時に『水』を使用することができるのはとても大きなメリットです。
ただし、飲用することができないので注意が必要です。
メーカーによっては、飲用することができる機種もあります。
災害時の復旧が早い
災害時には、電気・ガス・水道の3つのライフラインが止まることがあります。
電気>水道>ガスの順番で復旧されることが多いです。
エコキュートは、電気が復旧した後、水道が復旧すればお湯を使うことができます。
ガス漏れ、火災の心配がない
火を使わないので、火災やガス漏れ、不完全燃焼による一酸化炭素中毒等のリスクを減らすことができます。
エコキュートは火を使うことがないので、小さい子供やお年寄りがいるご家庭でも安心です。
エコキュートのデメリット
設置費用が高い
エコキュートの設置費用は、ガス給湯器に比べて費用が高額です。
本体の他に水道工事、電気工事、エコキュートを設置するための基礎工事が必要になります。
使い続けることによって節約効果を得られますが、お湯をあまり使わないご家庭であれば、節約効果を実感するまで時間が掛かる場合があります。
エコキュートの設置を考えている方は、初期費用を回収できるかシミュレーションすることが大切です。
エコキュートの設置費用については、以下の記事で詳しくご説明しています。
さらに詳しく
-
-
エコキュートの選び方と設置費用まとめ!【安く抑える秘訣は相見積り】
使いすぎると湯切れする
基本的にエコキュートは、電気料金の安い夜間帯にお湯を貯めて沸かしているため、昼間に貯めた量よりもお湯を使うと湯切れしてしまうデメリットがあります。
エコキュートには学習機能が搭載されているため、お湯が少なくなれば自動的にお湯を沸かしてくれますが、急な来客等でお湯をたくさん使ってしまうと湯切れします。
次にお湯を沸かすまで時間が掛かり、お湯が使えない状態になってしまいます。
湯切れをしないためには、状況に応じた設定に切り替える必要があります。
広い設置スペースが必要
エコキュートは「貯湯ユニット」と「ヒートポンプユニット」で構成されており、基本的に屋外に設置するため、ガス給湯器に比べて広い設置スペースが必要になります。
もし、十分な広さがなければ設置することができない場合もあります。
ですが、各メーカーから薄型タイプやコンパクトタイプのエコキュートが販売されていますので、設置場所の広さがない場合は、こちらのタイプのエコキュートを設置しましょう。
夜間の運転音
エコキュートの運転音は38~40dB程度で、図書館なみの静かさですが、主に人が睡眠をしている夜間に運転するので、寝室や隣家に近い場所など運転音が気になる場所への設置は避ける必要があります。
実際にエコキュートの騒音によるトラブルも発生していますので、設置場所には注意が必要です。
入浴剤の種類に制限がある
追いだき機能が付いているフルオートタイプのエコキュートは、メーカー推奨以外の入浴剤を使用すると、配管や熱交換器等の金属腐食や循環ポンプの不具合、フィルターの目詰まりを起こしてしまう可能性があります。
メーカーや機器によって使用できる入浴剤が異なりますので、メーカーのHPや取扱説明書を確認しましょう。
エコキュートで使用できる入浴剤については、以下の記事で詳しくご説明しています。
さらに詳しく
-
-
エコキュートに入浴剤は使える?追いだきは?メーカー別入浴剤まとめ
水圧が弱い
ガス給湯器は水道直圧式なのでシャワーの圧力も強いですが、エコキュートの場合は減圧弁を使用して水道圧を減圧して給湯します。
そのため、どうしても水圧が弱くなってしまうのです。
しかし、各メーカーから高圧力タイプの機種が販売されていますので、圧力が気になる方や2階に浴室があるご家庭は、高圧力タイプのエコキュートを選択しましょう。
定期的な掃除と点検が必要
エコキュートを長く使うためには、定期的な掃除と点検が必要です。
掃除と点検を怠ってしまうと故障の原因に繋がります。
リモコン、浴槽フィルター、貯湯ユニットの掃除や漏電遮断器、逃し弁、配管の点検を定期的に行う必要があります。
定期的な掃除と点検については、以下の記事で詳しくご説明しています。
さらに詳しく
-
-
エコキュートの寿命は何年?寿命を伸ばす方法と買い替えサインの判断方法
エコキュートについて詳しくなろう
エコキュートの仕組みとメリット、デメリットについて詳しく解説させていただきました。
エコキュートの名前は聞いたことはあっても、仕組みが分からない方や現在エコキュートを使っている方も今以上にメリット、デメリットについて更に詳しく理解できたのではないでしょうか。
是非この記事を参考にして、ご家庭に合ったエコキュート選びに役立ててくださいね。
エコキュート・電気温水器の設置が
\得意な施工会社!/