バリアフリーリフォームとは、障害(バリア)を取り除き(フリー)車椅子が必要な人やそれをサポートする人などが暮らしやすい住宅にリフォームすることです。
具体的には、段差をなくす、手すりを設ける、玄関ドアの交換などを行います。
今回の記事は
- バリアフリーリフォームを行うタイミング
- 玄関周りのバリアフリー化を例に、費用はどのくらいかかるのか検証
- 補助金関連
- リフォーム業者の選び方
玄関のバリアフリー化が
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バリアフリーリフォームを行うタイミング
注意しておくことは、バリアフリーリフォームを行う場合には国から補助金が支給されますが、それは「要介護認定」を受けた後です。
つまり補助金を利用する場合、リフォームするタイミングは介護する側の意志では決められません。
家族が要介護認定を受ける前は、認定前の当人からよくヒアリングをして、手すりなどの緊急性を要するリフォームは実費で行い、転倒事故などのリスクは低減しておきましょう。
そして要介護認定を受けてから、例えば、車椅子が必要な場合には、特に費用がかかる玄関周りのリフォームを行うなど、資金運用に計画性が必要です。
快適な住宅が、いざ介護となった際はいきなり不便になったりするものです。
介護をする必要がある人にとっての危険な場所はどこになるのか、その場所が特定できたら、どうすれば安全な環境ができるかなど、できるだけ未来に障害となる場所や状況を想像しておくことをお勧めします。
玄関周りのバリアフリー化を例に、費用はどのくらいかかるのか検証
玄関周りのリフォームは、6つのポイントがあります。
玄関ドアの交換
住宅の玄関ドアは扉が弧を描いて回転するドアである開き戸が多い傾向です。
車椅子では外からドアを開くとき、車椅子を少し後退させ、ドアを固定してから玄関に入るので、すごく面倒です。
また、住宅の設計の問題で、開口部が狭い家もあり、車椅子を傾けたり、後ろ向きでの出入りなどは非常に危険です。車椅子の幅は630mm以下、電動では700mm以下がJIS規格として販売されています。
国土交通省の定義では「80cmを車椅子で通過できる寸法」で、「90cmを車椅子で通過しやすい寸法」としています。
つまり、玄関幅については、80cmは必要な基準です。
玄関ドアを開き戸から、戸をレールや溝を往復させて開閉する扉である引き戸に交換すれば、車椅子の出入りでも扉が邪魔にならないため、玄関口の出入りがしやすくなり便利です。
開口部の幅を大きくとることもできる玄関ドアも販売しているので、リフォーム時には業者の方に質問しましょう。開口部の問題が解決できることもあります。
また、引き戸の難点は、気密性・遮音性が低くなるとか、冷暖房の効きがよくなく、室内の声も漏れやすいなどがあげられます。
既存ドアの撤去費用は5,000円~20,000円、玄関ドアの本体価格は100,000円以上、玄関ドアの取り付け費用30,000円~60,000円、玄関ドアの交換費用は150,000円~600,000円です。
玄関ドアのリフォームについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しています。
さらに詳しく
手すりを設置する
玄関アプローチ(門から玄関まで)に段差がある場合には手すりを設置します。
玄関内であればフロア部分の壁面に手すりをつけるケースがあります。玄関外の手すり費用は80,000円~200,000円程度です。
自力で手すりを付けるときは、自分で取付位置の基準を調べましょう。
例えば、階段の手すりなら、高さ75cm~80cmが基準と言われています。
その上で、使用者本人の具合などをヒアリングを行いながら工事を行ってください。
費用は50,000円から、素材によっては100,000円以上もあります。
スロープを設置する
車椅子の場合は玄関に、たたき部分(土間)と玄関フロアの段差をスロープ化して解消しましょう。
スロープからの脱輪防止と勾配も緩やかにしてもらえば、車椅子でも自力で玄関に入れます。
スロープの費用は6~15万円です。
またスロープを付けるほどでもない方は、通販の段差スロープで済ませることもできます。
例えばアルミスロープ費用は長さ92cm×幅80cm×高さ5cm、積載量272kgで12,000円です。あくまでも一例で、ゴム製や木製などたくさん種類があります。
玄関のすべり止めを施す
玄関前のアプローチが石畳などの場合、歩く時のつまずきの原因や、車椅子もスムーズに進まないといった場合があります。
ブロック同士をかみ合わせるインターロッキングで路盤の整備を行うと、水たまりを防止しできて、滑りにくく、移動しやすくなります。
玄関アプローチのインターロッキング舗装費用は40万円以上です。
あと工事に職人の腕が必要になるので、時間と工賃がかかります。
玄関に踏み台を設置する
玄関の上がり框が高い場合、踏み台を框の段差を少なくするように設置します。
費用は20,000円以上です。
大工さんに特注する形となるので、値段は明確ではなく、依頼時は見積もりしてもらいましょう。
照明を設置する
視力の低下などで足元が見にくい場合は、センサーなどで自動点灯するようにすれば、夜間の玄関の暗さは解消され、靴の脱ぎ履きが楽にできます。
費用は500円以上です。単なるセンサーライトだけなら低価格で手に入ります。
補助金関連
バリアフリーリフォームには、介護保険から出る補助金が使えます。玄関まわりの補助金対象は以下です。
- 引き戸の設置
- 玄関の踏み台
- 出入り口廊下の幅の拡張
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
対象の工事に当てはまる場合は、介護予防住宅改修費として、上限20万円まで工事に補助金が出ます。
住宅改修のための補助金は「原則1度のみ」なので、上限まで使い切るのも手です。
詳しくは、お住まいの地域包括支援センターに問い合わせてください。
自治体によっては、上限20万円以上でも追加で支給が出る場合もあったり、独自の助成金制度があるところも存在します。
リフォーム業者の選び方
リフォーム業者を選ぶ時に注意することは、アポなしの戸別訪問や電話営業、ポスティングされたチラシのみの情報だけで、リフォーム業者の選定は控えたほうがいいでしょう。
欠陥工事や余計なリフォームなど、厄介ごとが絶えません。
ここでは3つの業者選定方法を紹介します。
地元密着型の業者に頼む
地元の業者の魅力は、親切に工事をしてくれるところです。
忙しく知識も不足している場合は便利です。大まかに任せておいても、ある程度満足いく仕上げにしてくれます。
ただ欠点は、費用が少し高い傾向になるところです。
複数業者に総当たりで見積もりをもらう
インターネットを使えば、無料で簡単な見積もりを出してくれます。
該当するサイトですべて見積もりを出してから、業者に依頼を出せば、最安値でリフォームできます。
かなり怪しいことは確かなので、選ぶ前には必ず安い理由を聞いてみましょう。
自分でも知識を入れて、実績がある業者に見積もりをお願いしてみる
インターネットを見れば、実績や施工例などわかりやすく説明している業者のサイトがあります。
車椅子生活者の玄関周りのリフォームで検索していくと経験が豊富にあるところは数社に絞れてきます。
その絞り込んだ業者にコンタクトして「予算の範囲」「リフォームしてほしい場所」など具体的に伝えると、しっかりした見積書が届きます。
数社で比べて確認しても、見積額の乱れが少なく、高ければ高い理由を教えてくれます。またよりよいリフォームの提案をしてくれる業者もあります。
計画を練って、住宅をバリアフリー化しよう
住宅のバリアフリーリフォームは、タイミングをみて徐々に行うのが、資金繰りにおいて楽です。玄関周りだけでも先に優先順位をつけるとよいでしょう。
補助金制度も地方によって偏りがあり、その他の関連制度を含めた確認作業にも時間がとられます。
また、バリアフリーリフォームに対する正しい知識を身につけないと、どの業者に依頼するか選定が難航する場合もあります。
リフォームの前段階から、しっかり計画を練り理想とするバリアフリー化した住宅を手に入れましょう。
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